「近江八幡おやじ連」のしくみと特徴


《きっかけ》

「男の料理教室」

 定年退職男性を対象に、連続講座「男の料理教室」が平成13年から毎年開催され、それに参加した受講者たちは、同期同士で講座の終了後も自主グループを結成して、料理教室で出会った一期一会の仲間たちと定期的に集まるようになりました。

 

 やがて、それぞれの自主グループが市や社協の事業にも積極的に協力しはじめ、グループ間の横のつながりも生まれていきました。そして、平成18年に各グループが結集して映画「蕨野行」上映会を開催したことを機に、グループ同士が連携し合えるしくみとして「近江八幡おやじ連」が正式に結成されたのです。

 

《組織のしくみ》

「たて糸」と「よこ糸」

 毎年開催されている「男の料理教室」を終えると、各年度の同窓生がそれぞれ自立して新しい会を立ち上げ、互いの親交を深めています。「近江八幡おやじ連」には、このしくみによって毎年新しい人・グループが加わってくれます。(上図の「よこ糸」)

 

 一方、様々なテーマ・目的別のボランティア活動団体もたくさん存在し、おやじ連メンバーは、料理講座で何期目であったかに関わらず誰もが自由に参加できるようになっています。活動への参加に強制や義務はなく、行ける時に行きたい活動にだけ参加できます。(上図の「たて糸」)

 

 よこ糸とたて糸、それぞれに自立した主体性を保ちながらも、全体としてゆるやかに連携・協力をし合うという絶妙の関係が築きあげられているのです。

 

《継続の秘訣》

主役は自分、目的は仲間づくり

「仲間づくり」が活動の中心

 おやじ連メンバーの多くは、市外・県外から移住してきた元企業戦士。退職するまで地域との関わりが少なかったので、地域でめぐり逢った「仲間」との居場所はかけがえのない財産。一度仲間のすばらしさを知ってしまったら、もう一人には戻れません。活動参加の一番のモチベーションは、いつも「仲間と一緒に居たい」なのです。

 

主役は「自分」、すべては「自分」のため

 すべての活動は、「自由参加」が基本。関係団体全ての活動予定を網羅し毎月発行される「近江八幡おやじ連予定表」を見て、各個人が参加したい活動に出向き、その日その時間に集合場所に集まったメンバーでやれる範囲の活動を楽しむだけ。義務もノルマもありません。一人ひとりが主役になって「キラリと輝く」ために存在しているのです。

 

利害も上下もないフラットな関係

 おやじ連では、現役時代の役職は口にしないのがルール。したがって、メンバー同士の上下関係も、グループ同士の利害関係も一切なし。いつも対等な立場でホンネの会話を楽しめます。各自の「満足感」と周りのメンバーへの「感謝の気持ち」が活動を支えているから、派閥も軋轢も生じません。

 

バラエティに富む活動が目白押し

 おやじ連に所属する団体活動は、環境や景観の保全、子供との環境学習、山歩き、絵画教室、花見や温泉旅行に至るまで実に多岐にわたる活動を展開していて、いつでも自由に選び放題。毎年「作品展」もあって、マンネリを感じる暇もありません。

 

縁の下の力持ちの存在

 おやじ連のかなめになっている人達は、「地域のため」「仲間のため」との熱いハートの持ち主です。また、全体の細やかな調整や情報伝達、市外とのやりとりなど、様々な場面で市社会福祉協議会が活動継続の支えになってくれています。